注文の多いフルーツカフェ
メールマガジン「注文の多いフルーツカフェ」

      62号(2011年12月28日)
     『ベトナムの果実』

岡田
<岡田>
こんばんは。
賢二
<賢二>
いらっしゃい。今年は今日で御用納めですか。
岡田
今日は昼から軽く事務所でサングリアをつくって仕事納めの儀式です。来年の仕事始めは1月5日で、これ、食べきれなかった果物持ってきました。
礼子
<礼子>
あらあら、キウイフルーツ、アボカド、パパイヤ、マンゴー、ブドウ、派手な色をしているこれ何ですか。
賢二
ドラゴンフルーツですね。どこからきているんですか。
岡田
ベトナムです。
賢二
しばらく見かけなかったですよね。
岡田
ドラゴンフルーツはサボテンの仲間で、ミバエは付かないと思われていたので輸入はわりと簡単だったのに、ミバエの付いた果実が見つかって、いったん輸入禁止になったんですよ。
その後JICAの協力事業で蒸熱処理で殺虫する方法を開発して、一昨年から又再開されているんですよ。
礼子
早速いただいてみましょう。どう切ったらいいんですか。
岡田
縦に二つに切って、あとは一センチぐらいにスライスでいいんじゃないかな。
賢二
昔から中南米からピタヤという名前でこれより小型で果皮が黄色いのが少し輸入されていましたよね。
岡田
それとは種レベルで違うものとして扱われています。
ドラゴンフルーツという名前は、中南米から導入されたものを香港・中国に輸出する時に、ドラゴンフルーツ“火龍果”という名前でデビューさせて成功したので、今ではそちらの方が一般的になってしまったという出世物語があるんですよ。
礼子
特別な香りも、酸味も、強い甘味も感じないですね。一言で言うとあっさり・さっぱりしているっていうか。白い果肉の中に散らばっている黒い粒粒は種ですか。
岡田
そうです。ベトナムでのホテルの朝食ビュッフェの定番です。スイカや、パイナップル、メロンと一緒に必ずっていいほど出てきます。体に優しいということです。
礼子
沖縄で外観がそっくりで赤い果肉のものを食べたことがあるけど、色が違うだけかしら。
岡田
違う種に分類されているようですよ。外見だけじゃわかりにくいけど果肉の色以外にも少し違いがあるみたいです。
賢二
岡田さん、ベトナムの魅力的な果実は他にどんなのがありますか。
岡田
日本に輸入できるかとか、持ってきて商売になるかとかを別にすると、ほとんどのトロピカルフルーツがメコンデルタで取れますよ。
礼子
メコンデルタってどんなところ。泥沼が果てしなく続いているんじゃないかって想像してしまうけど。
岡田
暑くて、広くて、平らで、ジャングルと農地が混在している。チベットの源流から、タイ、ミャンマー、ラオス、カンボジアの水を集めて、メコン川がインドシナ半島の南端にそそぐ時に、上流から運んできた土砂を吐き出して悠久の時をへてデルタ地帯を作りだした。
賢二
メコンデルタには仕事、遊びあわせて3回行きましたよ。
そのころはまだデルタの中心都市カントーまでのルートには橋がかかっていなかったからメコンの支流を渡るときはフェリーに乗り換えなくてはならなかったし、農産物の運搬は水上輸送が中心で、水上で果物や野菜を取引する集荷、交換、配荷の仕組みには驚嘆した覚えがあります。今も同じですか。
岡田
表向き、昔ながらの船に、長いシャフトの先にスクリュウをつけた船外機付きのボートがけたたましいエンジン音を立てて濁流を縦横無尽に走って商売をしているのは変わらないように見えるけど。
日本やオーストラリアの援助で橋と道路が最近開通したし、携帯メール、スマートフォンで市況もみんなわかるようになったからこれから大きく変わっていくだろうね。
礼子
普通の人の生活は楽なのかしら。
岡田
ベトナム戦争直後は、なれない計画経済政策で、餓死者が出るほど生産が落ち込んだらしいけど、ドイモイと呼ぶ開放政策で、個人農家へ土地の再配分をしてからは活性化されて、今ではタイに次ぐ世界第2番目のコメ輸出国になった。
経済は順調に成長しているって言っていいんじゃないかな。
賢二
ベトナムから米国へは、照射した果実が輸出されていたんじゃありませんか。
岡田
よく知っていますね。ドラゴンフルーツのほかに、ランブータン、リュウガンなど照射処理する施設が首都ホーチミンの近くで稼働しています。
礼子
日本向けには照射していないでしょうね。今年は原発事故があったし。
岡田
日本では照射技術を利用しようという機運がどうしても実を結ばないですね。蒸熱処理よりも、味・香りや品質に与える影響は少ないし、実際の処理も簡単で、設備も維持費も安いから早く認めるほうが、結局は消費者のためになると思いますけどね。
賢二
イメージだけで政策決定が行われすぎますね。放射線処理した食品の安全性について理解してもらう下地は、今回の原子炉事故による食品汚染の報道と解説でできたんじゃないかと思いますよ。

(写真)
①ドラゴンフルーツの樹
ドラゴンフルーツの樹

②メコンの水上マーケット
メコンの水上マーケット

③ベトナムの市場
ベトナムの市場

④ベトナムの果実店
ベトナムの果実店

(絵本)

雪渡りPDF雪渡りPDF
PDFサイズ1.95MB
作:宮沢賢治
絵:高村 哲


雪渡りって、2月から3月にかけて出来るんです。青い色の冴えた絵がいっぱいいっぱい詰まっています。



(あとがき)
日本の歴史に残る大災害の歳も終わります。時が経つのではなく、人が去っていくのだという言葉に一面の真実があっても、突然去ることを強いられる無念さは想像を絶します。
皆様良いお年をお迎えください。来年もお付き合いのほどお願い申し上げます。(米倉)
(米倉)

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